2012年3月11日日曜日

三国志について

三国志について

つい先程三国志の小説(著者:吉川英治)を買いました。



これから時間をかけてゆっくり読んでいこうと思います。



それとは別に「三国志演義」という小説も出ていることを最近知りました。



そこで3点ほど質問なのですが・・・。



①私が購入した三国志はページ数が約500ページ全8か9巻?なのですが、三国志演義の著者は誰で、全何巻で約何ページくらいあるのでしょうか?



②「三国志」と「三国志演義」はどのように違うのでしょうか?



③歴史をあまり知らず、小説も読んだことのない人が三国志をすんなり読めるものなのでしょうか?



宜しくお願いします!


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まず、「三国志」とは小説ではなく、中国の魏・呉・蜀の三国時代の歴史を綴った正規の歴史書で、一つのものではなく、『魏国志』『蜀国志』『呉国志』の3国それぞれの独立した歴史書をひとまとめにして名付けられています。ひとつに取りまとめたのは西晋の陳寿ですが、実際にそれぞれを書いたのが誰かは分かっていません。まとめられたのは280~290年頃とされます。



これに対して『三国志演義』は歴史書である「三国志」を元にして書かれた小説です。成立したのはずっと歴史が下がって1300年頃とされますので、「三国志」が書かれた1000年ほど後になります。書いたのは施耐庵あるいは羅貫中と言われていますが、これもはっきりわかっていません。

『演義』の方も一応「三国志」が元にはなっていますが、一部史実とは異なっています。また、小説ですから正史よりも読みやすく、面白いです。なお、日本では『三国志演義』の方が一般的であり、「三国志」と行った場合は『三国志演義』を指すことが多く、吉川英治の『三国志』も「三国志」ではなく、『三国志演義』が元になっています。



ですから、正式に「三国志」と言った場合は中国の歴史書、『三国志演義』と言えば中国の小説の、それぞれの翻訳となります。

また、吉川英治を始め、「三国志」や『三国志演義』を元に小説として発表されたものが数多くあります。日本ではだいたいが『三国志演義』を元にしていますが、例えば北方謙三の『三国志』は正史の「三国志」を元にしていますし、宮城谷昌光の『三国志』も正史に基づいています。

『三国志演義』の完訳版だと岩波文庫などで400ページほどの文庫本8冊ほどです。吉川英治版よりはやや短いです。ただ、最初に読むのであれば翻訳書よりは日本人の手による小説の方が読みやすいと思います。中でも吉川英治版の『三国志』は、日本における「三国志」のスタンダードと言ってよい存在で、最も読みやすく、どんな人が読んでも十分楽しめる内容だと思います。

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