どの三国志を読めば・・・
映画、レッドクリフを見て、三国志に興味を持ちました。
本を読んでみようと思いましたが、いろいろな人の書いた三国志があって、どれを読むのが一番良いのかわかりません。
みなさんのお勧めを教えてください。
漫画以外でお願いいたします。
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文庫本しか持ってないのですが、
私の感想として、僭越ながら独断で評価すると・・・。
(◎.○.△.×を参考に見てください。)
●三国志(吉川英治)講談社全8巻
三国志といえば、まず吉川三国志ですね。安心して読めますが、なにせ書かれたのが20年前チョット古い感じがします。いま新装丁版がでてますね。[△]
●完訳三国志(村上和行)教養文庫全5巻
村上さんの作品は好きなんですが、これはもう一つですね。[×]
●秘本三国志(陳瞬臣)文春文庫全6巻
この人の作品は安心して読めます。三国志以外の中国歴史小説もいいですよ。[◎]
●興亡三国志(三好徹)集英社全5巻
ダイナミックな切り口で、読みやすくお勧めです。[○]
※上記の4種類は、五丈原で諸葛孔明が亡くなるまでの物語です。
演義的にはここがクライマックスですからね。その後も読みたければ下段の演義系へどうぞ・・・。
お勧めは陳さんの秘本三国志(三好さんの興亡三国志も捨てがたし)です。
○三国志演義(井波律子訳)ちくま文庫全7巻
訳本としては秀逸です。読み易いですよ。でもちょっと硬いかな。[△]
○三国志演義(立間祥介訳)徳間文庫全4巻
訳本の最新刊です。華はありませんが安定してます。[△]
○完訳三国志(小川環樹ほか訳)岩波文庫全8巻
可もなく不可もなく、特徴がありません。チョイスしなくてもいいかも・・。[×]
○三国演義(安能務訳)講談社全6巻
文章が綺麗で、とても読み易いです。[◎]
※上記の4種類は、俗に言う三国志演義120回本の訳本です。
書き方に若干の違いがありますが、内容は同じです。
「あれっコレ読んだよなあ~。」てことになりますので、1種で十分です。
お勧めは安能さん訳の三国演義です。
■正史三国志(今鷹真ほか訳)ちくま学芸文庫全8巻
歴史書としての正史三国志の訳本です。一度読むべきだと思いますが、
始めにこれを読んでしまうと、演義系を読めなくなりそうです。
最初に演義系を読んだあと、2冊目として正史訳本に進まれることをお勧めします。
でも、個人の略歴の箇条書きですから、正直読みきるのは疲れます。[○]
□英雄三国志(柴田練三郎)集英社全6巻
□英雄生きるべきか死すべきか(柴田練三郎)集英社全3巻
さすが柴練って感じですが、芝居かかった書き方は、他の作家さんとは違和感があります。[△]
□呉三国志長江燃ゆ(伴野朗)集英社文庫全10巻
呉を主人公としたことには拍手を送りたいですが、ちょっと長い。また、10巻の途中まで孫権が生きています。
孫権死後ももう少し書いて欲しかったです。残念[△]
□小説三国志(鄭飛石)光文社文庫全3巻
韓国の国民的人気作家の三国志です。蜀滅亡までの物語で演義とも違う書き方です。
独特の切り口で、面白かったです。大穴的にお勧め[○]
□三国志(北方謙三)ハルキ文庫全13+2巻
私は、これから入りました。とても面白いです。
でも、言い切ってしまえばこれは三国志ではなく北方三国志です。
最初に読むと、他の演義系の小説や訳本との違いに戸惑います。後でもいいかな。。[×]
※上記5種は、小説という括りでいいと思います。
お勧めは鄭さんの小説三国志を押します。
長々書いてしまいましたが、
安能さんの三国演義120回本を読んで、正史三国志訳本で正史と演義との違いを感じて、
陳さんの秘本三国志に戻る流れがいいのではないでしょうか。
既刊本1冊に絞るなら、安能務さんの「三国演義」ですか・・・。悩むけど・・・。
今、宮城谷昌光さんの「三国志」が刊行されています。宮城谷さんの本はどれも読みやすく、
お勧めです。基本的に単行本は買わない主義なんで、本屋で立ち読みしましたが、
内容も独特で、是非続きを読みたくなりました。(早く文庫本にならないかなあ。)
この本から入るのもいいかなと思ったりします。
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「三国志」(史書)か、『三国志演義』を読んだのでなければ、「三国志を読んだ」とは言えない。
吉川英治などの「三国志」は、上記本をネタ本にした、その作家が書いた娯楽小説にすぎない。
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吉川英治あたりが妥当でしょう。取っつきやすいと思います。
正史(史書)や『三国演義』は初めての人にはあまり勧められません。
以前にも似たような質問を受けたことがあります。参考までにどうぞ。↓
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1219188957
《chiebukurono1さんへ》
おっしゃる事は解ります。私自身、吉川英治が優れているなどとは少しも思っていません。しかし初めての人には、あれくらいがちょうどいいのです。
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