「正史三国志」について、その関係書籍で良いのが、あったら教えてください。
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現在、一般書店で手に入る唯一といっていい「正史三国志」の訳本は、
『正史三国志』井波律子.今鷹真.小南一朗/訳
(ちくま学芸文庫)全8巻
になろうかと思います。お持ちかもしれませんが・・。
その他にご紹介するとすれば、
『正史三国志群雄銘銘伝』坂口和澄/著 (光人社)
700ページ越えで、読み応え十分、腹いっぱいになりますが、
正史に伝が載せられている人物と、
何故か「演義」が見逃した個性的な人物を、
厖大な注記の中から拾い出して、
その実像に迫る初めての正史人物列伝です。
全562人を収録。
『三国志:正史と小説の狭間』満田剛/著(白帝社)
正史三国志と三国志演義がいかにして生まれたかの概説から始まり、
後漢末~呉滅亡までの歴史の流れを細かく区切りながら、
その段ごとに主要な人物の、
小説に描かれているある意味虚像と史実とされる実像との違いを較べています。
読む価値十分です。
『三国志を読む』井波律子/著(岩波書店)
正史三国志と陳寿の伝記、魏書(武帝紀を中心に)、
蜀書(先主伝・諸葛亮伝を中心に)、呉書(呉主伝、周瑜・魯粛・呂蒙伝を中心に)
の全4回のセミナー本です。テンポがよくて読みやすいです。
『三国志きらめく群像』高島俊男/著(ちくま文庫)
この中国史カテでも評価の非常に高い名著です。
難しい内容も、サラリと読めて分り易い、必読かと思います。
『諸葛孔明の世界』加地伸行/編 (新人物往来社)
諸葛亮を巡る12編のレジュメを纏めました。
諸葛亮のファッションとか、文学とか、結構マニュアックな内容です。
正史を元にした大学教授クラスの考察なので信憑性はありますが、
どうしても「演義」の匂いを消すことはできませんね。
資料としては1級品だと思います。
『逸話で綴る三國志』坂口和澄/著(徳間文庫)
正史の作者陳寿があえて削除した出来事や、立場上書けなかった出来事を、
拾い出した逸聞集です。面白いです。
『三国志曼荼羅』井波律子/著(岩波書店)
正史にも精通し、演義の訳本でも有名な井波さんの書下ろしです。
魏の諸葛一族とか、諸葛亮が何故蜀を選んだか、曹操と清流派の関係など、
興味深い内容が並びます。
『三国志を陰で操った倭王卑弥呼』斉藤忠/著(学研)
三国時代と倭王卑弥呼の関係を、いろいろな観点から解き明かしています。
なるほどと思うところと、飛躍しすぎかろおもうところもありますが、
読んで損は無いかと思います。
などはいかがでしょうか。
原文をお読みになれるようなら、
『三国志』陳寿/著、裴松之/注(中華書局)
魏書3冊、蜀書・呉書各1冊
正史三国志の原文です。返り点などありませんから読むのは大変です。
でも、原文ですから、一度は目に通したいですね。
東京に住んでいた当時、手に入れましたが読み下しできるわけでもなく、
もっぱら眺めて、雰囲気だけでも愉しんでいます。
私の住んでる地方では手に入れることは困難ですが、
東京、大阪あたりなら中国書店に置いてるでしょう。少々値は張りますが・・。
『正史三国志英傑伝』『中国の思想』刊行委員会/編(徳間書店)
正史『三国志』の中から主要な人物を選んで、
原文、書き下し文とともに抄訳を載せたものです。
全員ではありませんが、主要人物は網羅してます。
原文に触れてみたい方にはお薦めです。
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