「三国志」と「三国志演義」、違いはどこですか?
「三国志」と「三国志演義」、違いはどこですか?
初めて読むとしたら、どちらから読むのが良いですか?
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『三国志(正史)』は、王朝が認めた歴史書、
『三国志演義』は、正史を元にして描かれた物語です。
基本的には120回の小段落に分かれており講談の体裁です。
さらに、
「三国志演義」を基にして作者の主観を混ぜた、
『小説』の3つに分類できるかと思います。
講談などから発展して作られた通俗小説である『三国志演義』が
日本では「三国志」として流通し、
また作家吉川英治さんが演義を元にして
著した小説『三国志』が有名になったため、
日本の三国志愛好家の間では、
『三国志演義』やそれにもとづいた文学作品を『三国志』あるいは『演義』、
歴史書の方を『正史(あるいは『正史三国志』)』と呼び分けます。
先の回答者さんも述べられているように、
いきなり「正史」では難解過ぎて、三国志への興味を失いかねます。
三国志演義120回本
三国志演義(井波律子訳)ちくま文庫全7巻
完訳三国志(小川環樹ほか訳)岩波文庫全8巻
三国志演義(立間祥介訳)徳間文庫全4巻
三国演義(安能務訳)講談社文庫全6巻
のいずれかをお読みになって、
演義系小説(正史の匂いもするものもあり)
(吉川英治・陳瞬臣・三好 徹・鄭飛石・北方謙三・
柴田錬三郎・伴野 朗・村上和行・[宮城谷昌光(刊行途中)]・・)
に進んで、1~2種読まれてから、まだ興味が尽きないようでしたら、
正史三国志(今鷹真ほか訳)ちくま学芸文庫全8巻
に進まれてはいかがでしょうか?
【正史三国志】
中国に24(または26)存在する、
主に国家によって公式に編纂された王朝の歴史書の1つです。
『三国志』の場合、
三国を統一した王朝で、
編纂された時期の王朝「西晋」が、認めたことになります。
西晋代の人陳寿(ちんじゅ233年~297年)により
西暦280年~290年頃に編纂されたといわれます。
「魏国志」30巻(「本紀」4巻、「列伝」26巻)、
「蜀国志」15巻、「呉国志」20巻、計65巻から成ります。
陳寿は『三国志』を記述するにあたって
信憑性の薄い史料を排除したために、
『三国志』は非常に簡潔な内容になっていました。
そこで、南北朝時代の宋の文帝時代に、
裴松之(はいしょうし372年~451年)が注釈を付けて、
元嘉6年(西暦429年)上表と共に提出しました。
これが、このカテゴリーで出てくる『正史三国志』です。
前段で述べたように、『三国志』は、非常に簡潔ですが、
主要な登場人物のプロフィール(生まれてから死ぬまで)を
羅列した書き方のため、
(~伝と個別に挙げられている人数:
魏書228人.蜀書83人.呉書129人.計;440人
名前が載っている人数:4894人[訳本8巻人名索引参照])
年代が繋がっておらず、大変読み辛く、
日本語訳文庫本で約3400ページ、正直疲れます。
とりあえず正史とされる歴史書ですから、
書かれていることは事実といわれます(だと信じたいとおもいます。)
裴松之が注釈を付け、
陳寿の触れなかった異説や詳細な事実関係を収録して、
読みやすくしてくれましたし、
話としては面白いのですが、逆に信憑性に欠ける逸話も数多く収録されており、
説話の題材にも取り入れられていきました。
【三国志演義(さんごくしえんぎ)】
明代に書かれた中国の通俗歴史小説です。
四大奇書の一つとされます。
『三国演義』、『三国志通俗演義』、『演義』と呼ばれることもあります。
著者は「施耐庵」あるいは「羅貫中」(生没不明)であるとされます。
『三国志演義』は版本も多数ありますが、
現在、多く流布している版本は
清の毛宗崗が校訂・加筆を行った「毛本」と呼ばれるものです。
日本ではしばしば単に『三国志』と呼ばれますが、
『三国志演義』は、講談で語られてきた物語と
、陳寿が編纂した歴史書『正史三国志』の伝える逸話を
綜合してつくられた小説作品で、『正史三国志』とは異なる作品です。
『三国志演義』の前半は
「仁徳の人」劉備(善=蜀)と「奸雄」曹操(悪=魏)の対比を軸に展開します。
このあたりの勧善懲悪のストーリーが、
本能的に任侠モノを好む日本人の心を捉えているところだと思います。
後半の主人公格である諸葛亮が登場すると、
物語は彼の超絶的(?)な知謀を中心に展開し、
五丈原(諸葛亮の陣死120回本の104回)に最高潮を迎え、
一気に収束します。
このあたりも、正義の味方、ヒーローモノに敏感な
日本人の琴線に触れるのではないでしょうか。
作中のエピソードは史実に多くの脚色が施されて作られていますが、
重要な戦いの勝敗や重要な事件の結果はほぼ史実通りです。
また、登場する地名・官職名・武器防具などは
三国時代の時代考証からみて不正確なものも多いためか、
よく、この中国史カテゴリーで議論の的になります。
このカテゴリーのご質問の内容も、
「演義的に言えば~」の内容が8割くらいを占めるのではないでしょうか。
突っ込みどころが満載ですから・・。
そこが『三国志』の魅力で、夢があって、面白いところですからね。
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正史→やや事実
演義→ややフィクション
どちらにしても三国志は書物などに残されている歴史を信じるか信じないかだと思います。
なんせ、日本の邪馬台国とか言われている時代よりもっと昔の話なので。 実際、映画「レッドクリフ」でも間違いを指摘する人たちがたくさんいるのが現状ですし。
逸話前提なら断然演義でしょうね。
私は、両方にそう大差はないと思っていますんですが...
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三国志には様々な種類があり三国志演義はその中の一つです。
三国志の代表的なものには魏を正統とし歴史を淡々と記録した「正史」と蜀を正統とし史実をベースとしながらも創作を交え面白おかしく書いた物語の三国志演技の2つがあります。
歴史のみを知りたいのであれば正史でもよいかもしれませんが、話を楽しみたいのであれば三国志演義でしょうね。
史実のみを取り出すと特に面白い出来事はありません。下記のサイトにその説明が詳しく書いてあります。
http://www.geocities.jp/fghi6789/gunji.html#sangokushi
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初めて読むのなら正直言って歴史書の『三国志』はかなり辛いですよ。
『三国志』は個人個人の伝記(その人の記録のようなもの)だけを
延々と集めて作られているだけなので劉氏、曹氏、孫氏、張氏など
同じような名前を持った人物がわんさか出てくるため
三国志の基本知識がないとまず頭が混乱してしまいます。
その上、時間軸を把握することも極めて難しく
数多くの人間の伝記を読んで、それを詳しく理解しなければ
どこで何が起こってたのか?同時系列にはどんな事があったのか?などを
理解することも一苦労です。
その上、中国大陸でも三国志と言えば「三国志演義」を持って
一般常識として通用しているため『三国志』を読む必然性は
ハッキリ言ってあまりありません。
三国志演義は時系列の整った物語であり、随所随所に盛り上がる部分が
創作、設定されており極めて面白く歴史を学べるので初心者には最適ですよ。
それでいて歴史の大枠をずれたような解釈はほぼ皆無ということもあって
物語としても面白く、歴史の流れも理解できる「三国志演義」は
中国では歴史の常識としても広く流通し、通用しているのです。
更に言ってしまえば、『三国志』は歴史書と言っても
一介の人物による私選と偏見によって編集された紙に記された記録の類です。
幾ら学術的な権威を持ち出してきたところで
歴史上の本当の「事実」などというものは数多くが謎のままでしょう。
現代で「実際に確認できる」事ではないのですからね。
これらの事を理解せずして、一方的にのめり込むのはあまりオススメできませんね。
そして実際に中国へ行けば分るのですが、関羽や諸葛亮の姿を
模した像(格式ある廟などでも)などは「三国志演義」のイメージで祀られており
「三国志演義」から生まれた架空の人物とされる周倉という人物の墓さえもあります。
それらのものを「歴史書の記述に違う捏造文化」と否定するのは
民族意識を完全に無視した暴力的な行為で
あると思いますし、なにより現代の中国の方に失礼にもあたり
更にはそれらの言は常識ではないためあまり効果がありません。
史実知識を盾に赤っ恥をかかせるつもりが
逆に大衆的な常識を持って反論されてしまい
赤っ恥をかかされるハメになりかねせません。
なので歴史のスタンダードとしても通用し
基本的な事柄から面白く学びやすく、初めても読みやすい
「三国志演義」をオススメします。
三国時代の事は、小説であるはずの「三国志演義」の完成度が高すぎるため
歴史叙述としても学ぶことにも適応できることから、『三国志』は細かい知識を
仕入れたいと思うようになったらオススメしますよ。
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人に聞く前に本屋へ行ってぱらぱらめくってみれば一目瞭然ですよ。
三国志は歴史を記録した正式な史書です。かなりの知識と読解力がないと読んでも面白くないでしょう。日本史の資料集なんかにも必ず登場する魏書東夷伝倭人の条(魏志倭人伝)は三国志の中にある一節です。あの調子で淡々と事実が列挙してあります。
三国志演義はずっと後の時代になって作られた講談本(演劇の台本)です。いろんな作家によってそれぞれの解釈になる小説にもなっています。北方謙三の三国志なんかは既に原型をとどめていないですね。
おもしろおかしく読みたいなら三国志演義、歴史を勉強したいなら正史三国志です。まったく別のものですから「どちらから読むのがよい」なんてことはありません。お好きな方からどうぞ。少なくとも演義に書かれていることを歴史的事実だなどと誤認することだけはやめてください。
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「三国志」:史書。正式な歴史書。
「三国志演義」:「三国志」を元にした、娯楽小説。
まずは、「三国志」から、どうぞ。
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