三国志を読んでみたいと思うのですが、いろいろ書いてる人がいてどれを読んでいいのかわかりません。おすすめがあれば教えてください!
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【小説】
吉川英治の『三国志』。全八巻。
文章がとっっても美しいです(´v`*)!!! 一番スタンダードな三国志なので、
入門として読んでも、変な偏見持たずにすむと思います。
しかも地名とかヤヤコシイのを沢山出さずに、さらっと書いているので、
中国の地名になれていなくても読むのに手間取りません。
もしあなたが中国の地理に詳しいなら、吉川英治よりも
北方謙三の『三国志』全十三巻を私は薦めます。
心情描写がとても濃く、吉川英治よりも、"人間くさい武将(知将、君主)"が描かれています。
また、三つの国のどれもが主人公であり、悪玉・善玉の区別が無いのも魅力です。
ただやたらと、戦略を考えてる場面とかで「サイソウの地がコウリョウがセキヘキが…」と、
聞きなれない地名ガンガン使って説明するので、地理がちんぷんかんぷんな私は
何度も巻頭の地図に戻って「ええと、サイソウってどこだろ……」と探す羽目になりました。
【漫画】
片山まさゆきの『SWEET三国志』全三巻がいいと思います。
三巻という短さながらも、要所はしっかりと押さえてあり、ギャグなので楽しく読めて、
人物の区別がつきやすくって素晴らしいです(・∀・ )
後半駆け足気味なのが欠点。三国志の歴史の中盤くらいまではしっかりと描いてあります。
あと、ギャグマンガなので深く重い描写は少なく、主人公格の人物ですら「鼻からなんかピロピロしてる頭いい人」くらいのイメージしか残らなかったり……
三国志の漫画といえば横山光輝『三国志』ですが、全三十巻もある上、
人物の顔が似たり寄ったりで、初心者には厳しいと思います。
スタンダードで、面白いんですけどね。
三国志初心者の母は横山にギブアップしましたが、SWEETだと楽に読めたそうですよ(人´∀`)
最近人気なのが王欣太『蒼天航路』全十八巻(文庫)です。
他の作品では悪者にされることの多い魏の国の君主、曹操が主人公です。
一人一人に惚れるほどの魅力あるキャラ付け、こちらが飲まれそうなほどの迫力の演出、と
漫画としての面白さも素晴らしいものがある作品です。
ただ、主人公が完璧・濃いエログロ・観念的な演出……というアクの強いところがあり、
受け付けない人は多いと思います。
【まとめ】
小説なら 吉川英治『三国志』 か 北方謙三『三国志』
漫画なら 片山まさゆき『SWEET三国志』 か 王欣太『蒼天航路』
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日本でいう三国志が、ほぼ「三国演義(三国志演義)」という物語です。
他の回答者さんも挙げられている、吉川英治さんの「三国志」も
漫画といえばこれとも言われる、横山光輝さんの「三国志」も含めて、
日本で読める「三国志」の小説は、
ほぼ、三国演義120回本が底辺です。
(横山さんの漫画のベースは吉川三国志ですね。)
三国演義は120回の小段落に分かれています。
まずは、この120回本訳という括りで・・。
〇三国志演義(井波律子訳)ちくま文庫全7巻
訳本としては秀逸だと思います。読み易いですよ。
訳本としては、最も新しいので現代語訳が馴染みやすいです。
〇三国志演義(立間祥介訳)徳間文庫全4巻
1988年訳本の新訂刊です。華はありませんが安定してます。
〇完訳三国志(小川環樹ほか訳)岩波文庫全8巻
戦後では一番古い訳本です。
88年改訂されたので古臭くは感じません。
〇三国演義(安能務訳)講談社全6巻
文章が綺麗で、とても読み易いです。
お勧めは『三国志演義(井波律子訳)』です。
個人的には安能さんの「三国演義」を推したいのですが、
一部では評判悪いので・・。
なお、どれも基本は一緒ですので、
複数読むと「あれっ、これ読んだよなあ。」になります。
次に、
演義系小説(日本の小説はほとんどそうですが・・)です。
ただし、以下の4種は五丈原で諸葛亮が死ぬまでです。
演技的にはクライマックスですから・・・。
(120回本でいう104回で諸葛亮は亡くなります。)
〇三国志(吉川英治)講談社全8巻
三国志といえば、まず吉川三国志ですね。
スタンダードですね。
〇完訳三国志(村上和行)教養文庫全5巻
村上さんの作品は好きなんですが、これはもう一つですね。
〇秘本三国志(陳瞬臣)文春文庫全6巻
この人の作品は安心して読めます。
三国志以外の中国歴史小説もいいですよ。
〇興亡三国志(三好徹)集英社全5巻
ダイナミックな切り口で、読みやすくお勧めです。魏主体です。
お勧めは陳さんの秘本三国志ですが、
三好さんの興亡三国志も捨てがたしです。割と評判いいですし・・。
これも、ストーリーは変えようが無いので流れは当然一緒です。
その後も興味がおありならば下段へどうぞ・・・。
〇英雄三国志(柴田練三郎)集英社全6巻
〇英雄生きるべきか死すべきか(柴田練三郎)集英社全3巻
さすが柴練って感じですが、芝居かかった書き方は、
他の作家さんとは違和感があります。
どちらも内容は同じといっていいと思います。
〇呉三国志長江燃ゆ(伴野朗)集英社文庫全10巻
呉を主人公としたことには拍手を送りたいですが、ちょっと長い。
また、10巻の途中まで孫権が生きています。
独特の切り口ですから、
作者の主観が入っているので演義と違和感があるとの評もあります。
私は小説なんだから、それでいいと思いますが・・。
孫権死後ももう少し書いて欲しかったです。残念
〇小説三国志(鄭飛石)光文社文庫全3巻
韓国の国民的人気作家の三国志です。
蜀滅亡までの物語で演義とも違う書き方です。
独特の切り口で、面白かったです。大穴的にお勧め
〇三国志(宮城谷昌光)刊行中
宮城谷さんらしい描き方です。読みやすいです。
単行本で7巻、まだ劉璋戦。どこまで続くのでしょう。今後が期待です。
文庫本で2巻刊行中、私は文庫派なんで買いたいのを我慢してます。
〇三国志(北方謙三)ハルキ文庫全13+2巻
私は、これから入りました。とても面白いです。
でも、言い切ってしまえばこれは三国志ではなく北方三国志です。
演義系というよりは、珍しく正史系の匂いがしますね。
最初に読むと、他の演義系の小説や訳本との違いに戸惑います。
後でもいいかな。
上記の5種はストーリーは同じでも、
内容は著者のオリジナルと言っていいと思います。
鄭さんの小説三国志を押します。
120回本と小説を読まれて、興味が湧かれたなら、
下記の正史へどうぞ・・。
◎正史三国志(今鷹真ほか訳)ちくま学芸文庫全8巻
歴史書としての正史三国志の訳本です。
一度読まれるべきだと思いますが、
始めにこれを読んでしまうと、演義系を読めなくなりそうです。
読みきるのがたいへんですし・・。
正史は史実(と言われている)ですから、
史実と虚実を取り混ぜた物語『三国演義』とのギャップや相違をあえて探すのも、
我々三国志にはまってしまった人間にとっては堪らなく嬉しいのですが、
最初に演義系小説or訳本を読んだあと、
2冊目以降として正史訳本に進まれることをお勧めします。
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tenimuh34さんがどのような方面に興味を持たれているかによって異なりますが、
有名どころだけでお勧めをするのであれば…
漫画が好きであれば「横山光輝」の三国志や「蒼天航路」ということになるでしょう。
文学作品が好きなら「吉川栄治」や「北方謙三」「宮城谷昌光」といった小説家の書いた三国志作品が良いと思います。
もちろん、筑摩書房から出ている「正史 三国志」「三国志演義」や、
岩波書店から出ている「完訳 三国志」を購入するという手段もありますが、
こちらはある程度三国志に親しんだ後の方が楽しめると思います。
なお、私は吉川栄治の三国志から興味を深めていきました。
個人的には吉川三国志をお勧めしたいところです。
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