2012年2月22日水曜日

三国志読むなら正統的な本どれからがいいですか

三国志読むなら正統的な本どれからがいいですか


|||



ご質問の文脈から、

三国志の小説は読まれたことがあると推察します。



正史三国志をお読みになりたいと仰るなら、

一般書店でも手に入る、唯一の訳本として、



『正史三国志』

井波律子.今鷹真.小南一朗/訳(ちくま学芸文庫)全8巻



かと思います。ただし、

紀伝体という個人のプロフィールの羅列ですので、

最初から最後までの時間の流れが繋がっておらず、

読みきるのは相当の体力(?)が入ります。



単独で伝を立てられている(つまり、主役.準主役級)人物は、

魏書228人.蜀書83人.呉書129人.計;440人

1度でも名前の出てくる(脇役級)の人数:4894人もいます。

全員憶える必要はもちろんありませんが、煩わしいのも事実です。

読まれるべきだとは思いますが、

けっして面白いものではありませんので、

最初に読むべきものではないかと思います。



ただし、三国志にどっぷり浸かってしまうと、避けては通れません。



三国志演義の120回本訳本(小説の基ネタです。)なら、

先の回答者さんの挙げられた、



『完訳三国志』小川環樹ほか/訳(岩波文庫)全8巻



もよろしいかと思います。

随所に見える葛飾戴斗の挿絵は、ダイナミックで一見の価値がありますし、

巻末の注釈や解説も詳しいです。

ただし、1988年訳と少々古く、文面も硬いように思います。

もうすこし現代語訳に近い訳本として、



『三国志演義』井波律子/訳(ちくま文庫)全7巻



を推します。2002年訳と今のところ最新版です。

四大奇書第一種に付されている図像が挿絵になっていますが、

とても可愛く、各回ごとの注釈も適格かと思います。

巻末の年表も各回の出来事とリンクしてますので、

分り易いです。



もし、小説も未読でしたら、

スタンダードに、

『三国志』吉川英治/著(講談社文庫)全8巻

個人的には

『秘本三国志』陳舜臣/著(文春文庫)全6巻

をお薦めします。



120回本訳本→小説→正史訳本が王道かと思います。



小説も含めて、非常に長いですが、

読み始めたら止まらなくなると思いますので、覚悟を決めて(?)お読みください。



|||



漫画ですが横山光輝の「三国志」はどうでしょう・・・。

結構忠実に、解りやすく描いてあります。

絵ですから、情景を想像できますしね^^


|||



それは「正史三国志」を指しますか?



または、「三国志演義」を指しますか?



「正史三国志」のほうは、どの本が良いのか判断しかねますが、



「三国志演義」なら、



あまり脚色の少ない岩波文庫の『三国志』(全八巻)がよいと思います。



普通の文庫本より字が小さく、びっしり1ページに書いてありますんで、



なかなか根気のいるものですが、



頑張って読破してみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿