2012年2月22日水曜日

三國志、三国志とかの登場人物の名前について疑問…。 劉備玄徳の「備」 関羽雲長...

三國志、三国志とかの登場人物の名前について疑問…。



劉備玄徳の「備」

関羽雲長の「羽」

張飛翼徳の「飛」




この名前の二文字目は どうやって決められのですか? 親が決めますか? いつですか? 産まれた時ですか?


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劉備を例に取ります。

姓+名+字で劉+備+玄徳、つまり二文字目の「備」は「名(諱)」です。

これが諸葛亮なら諸葛+亮+孔明という事になります。



姓はもともとの一族全体を表す「姓」と一族の中でも特定系統の直系を示す「氏」に大別されますが、劉備の時代にはそういう区別はほとんど無くなっています。

名は、生前は「名」、死後には同じものを「諱(いみな=忌み名)」と呼び変えます。劉備はすでに故人ですので、備は諱という事になります。

字(あざな)は成人してから正式に名乗るもので、他人が名を呼ぶ事は基本的に避けるべきという風習から「通り名」としてつけられ使用されたものです。

つまり姓がファミリーネーム、名(諱)と字はどちらもファーストネームです。時々「字はミドルネームみたいなもの」という説明を見かけますが、これは間違い。



で、名をつけるのが親かどうかですが、別に親と決まっている訳ではありません。

まあ通常は親が決めるパターンが多いでしょうが、例えば誰か名士や有力者に「名付け親」になってもらう場合もあったでしょう。また『三國志』魏書トウ[登β]艾伝には、12歳の時に母に連れられ行った潁川で陳寔(魏の陳羣の祖父)の碑文を読み、自分で名を範、字を士則と名乗った事が記されています。後に一族で範と名乗る者が出てきて名を艾、字を士載と改名もしています。つまり自分で名付ける場合もあったという事。

字も成人してから使うものですし、親ではなく本人が付ける場合もあったでしょうね。



親がつけるのは「小字(こあざな=幼名)」です。劉禅の「阿斗」や曹操の「阿瞞」「吉利」などが知られていますが、これは成人前の子供の通称であり、成人前はこれでしか呼ばれません。当然、生まれてすぐに親が決めないと都合が悪い性格のものですから、ほとんどが親の命名でしょう。



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昔の中国人は姓と名と字(あざな)が有ったことはご存知でしょうか。

例えば劉備玄徳の場合、劉は姓、備は名、玄徳は字(あざな)になります。



名は子供が生まれて3カ月目(100日のことも有ります)に親がつけます。

(3カ月の子供が自分で名前をつけることはできないですからね・・・)



字(あざな)は成人した時につけます。

中国の習慣では、相手の名前を直接呼ぶのは無礼なこととされていました。

主君や両親以外は、基本的には第二の名前である「字」を使うのが礼儀です。

「字」は社会に出た時に使う名前といえます。



男は20歳で成人となり、冠をかぶり字をもつようになります。

親が子供の名前を決めた時、字も考えておくこともあったと思いますが、多くは自分で決めたと思われます。

例えば毛沢東の字は「潤之」ですが、これは岳父の影響をうけて毛沢東が自分でつけた字です。



字は通常、名前と関係がある文字が使われます。

どういう関係?というとまた複雑ですが、簡単に分けると、同義語、反対語、お互いに影響する語、名を解説する語等が有ります。



関羽や張飛の名と字は分かりやすいです。



関羽の「羽」は鳥に関係し、空を飛ぶもの。

「雲長」の「雲」も空のものです。

「羽」と「雲」が呼応しています。



張飛の「飛」は「翼徳」の「翼」と呼応しているのがわかると思います。

*張飛の字は「益徳」とも言いますが、この検証は「字」の説明から外れるので省略します。



劉備の場合はちょっと難しいです。

「玄徳」とは『老子』という書物に出てくる言葉で、「玄」は「暗いこと」そこから転じて「取りとめのないこと」「はっきり把握することができないもの」の意味もあります。「玄妙」という言葉が有りますね。この「玄」も同じ意味です。

「玄徳」とは「漠然模糊として理解することができないほど奥深い徳」の意味になります。

劉備の「備」は「備え持つ」の意味なので、名と字で「玄徳を備え持つ」という意味になります。



字の説明が長くなってしまいました。



以上をまとめると、

劉備玄徳等の2文字目(諸葛亮孔明は3文字目)は「名」といい生まれて間もなく親がつけます。

その後ろの2文字は「字」といい成人した時につける社会生活用の名前です。



*ちなみに女性の場合は結婚する時に簪をして字をつけました。

結婚前の女性を「未字」「待字」等とよぶことが有ります。

これは未婚のため字を持っていないことを表します。



*現在、字の習慣はほとんど残っていません。

但し、中国は同姓同名の人が多いため字の習慣を復活させようという意見も出ています。


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劉備の「備」は諱(いみな)ですので,親が決めたものです.

親や主君が呼ぶときに使うもので,他の人がこの名で呼びかけるのは非常に無礼とされます.

一方の「玄徳」は字(あざな)で,一般に使われる名です.

成人するときに自分で付けるのが普通ですね.



通常は「劉備玄徳」とか「関羽雲長」のように諱と字を並べて使うことはありません.

「劉備」もしくは「劉玄徳」と書くのが普通です.

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